睡眠薬を服用するとなぜ危険なの?
不眠に悩む方の多くは、睡眠薬の導入を考えたことがあるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、睡眠薬の危険性について解説します。
睡眠薬の危険性とは?
はじめに、代表的な睡眠薬の危険性について解説します。
耐性がついてしまう
最初は適切な用法・用量で効果があったとしても、服用を続けていくうちに体内で耐性ができてしまいます。
こうなると、薬の量や飲む回数を増やさなければ眠れなくなり、用量が増えることで副作用が増大する悪循環に陥る危険性が考えられます。
禁断症状がある
睡眠薬は脳の活動を抑制することで眠気を引き起こす薬であり、不眠症を治す薬ではありません。
それどころか、服用を途中でやめてしまうと精神的な苦痛、さらなる不眠、頭痛などの禁断症状があらわれる可能性があります。
がんや認知症のリスクがある
米国の医学的な研究によると、睡眠薬を日常的に服用している人は、そうでない人より35%も発がんリスクが高まると報告されています。
ほかにも認知症を引き起こすリスクの存在が知られており、これらのリスクを頭に入れた上
で服用を考えていく必要があります。
睡眠薬がもたらす副作用
続いて、睡眠薬の副作用について解説します。
持ち越し効果
持ち越し効果とは、睡眠薬の効果が次の日まで残ってしまう副作用です。
強烈な眠気、倦怠感、脱力感などに見舞われ、日常生活に悪影響を与えるでしょう。
筋肉弛緩作用
睡眠薬には全身の筋肉を弛緩させる副作用があります。
思ったように身体をうごかせなくなり、ふらつきや転倒のリスクが高まってしまいます。
前向性健忘
前向性健忘とは、ある時点から先の記憶がなくなる障害のことです。
睡眠薬を服用すると、一定期間の前向性健忘に陥る危険性が指摘されています。
奇行
睡眠薬を服用した人が突然暴れだしたり、急に攻撃的になるなどの奇行は、以前から多く報告されています。
前向性健忘とあわせて、「奇行を覚えていない」というケースも見られます。
睡眠薬の危険性を理解して慎重に検討しよう
睡眠薬には、強い依存性や禁断症状、数々の副作用や他の病気のリスクなど、さまざまなマイナス要素が報告されています。
日本で処方されている睡眠薬のほとんどには、これらの要素を引き起こすBZ(ベンゾジアゼピン)という成分が含まれており、服用には注意する必要があります。 睡眠薬を服用せず、精神的なケアから不眠症を改善することもひとつの選択肢です。